【短編小説】お嬢の品定め|文挟亜麻
「さすが武家のお姫様だ。お目が高くていらっしゃる」 江戸の大店、青葉屋にある特別なお客様だけをいれる客間に、耳心地の良い声が響く。 たくさんの帯に囲まれて、お姫様と言われたご贔屓のお武家のお嬢様は、少し戸惑ったように視線を伏せた。 「お姫様なんて、そんなふうに言われるような立場では……」 「いえいえ、こういうもんに地位がどうとかなんて関係ないんです。お姫様のような気品をまとっている。そういう貴女様だから、手前も思わずお姫様と言ってしまうんですよ」 頬を染める武家の娘に微笑みながら、男はすかさず隣に座る娘の母にも視線を送った。 「このようなお嬢様が育つのは、奥方様の努力と生まれな
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