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黒ヒョウ

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分類:食肉目ネコ科 シートン大友の百獣画録 第79話「ヒョウの知恵」  ネコ科動物の研究者は皆口を揃えて、ヒョウは体格ではライオンやトラに劣るものの、賢さや獰猛さでは上回っていると話しています。サーカスでもヒョウはライオンやトラよりも調教が難しいと言われているくらいです。第6話で「衣装の着こなし」を褒め、第33話でジャガーとの見分け方をご紹介し、第34話ではライオンとの間に生まれたレオポンの話をしました。このシリーズでヒョウが登場するのは四度目ですが、今回はその賢さに焦点を当ててみたいと思います。  第32話で「ライオンとトラ、どっちが強い?」という永遠のテーマに挑みましたが、あの回で比べたのは体格と戦闘力の話でした。しかし研究者達が注目しているのは、むしろ頭脳の方です。ライオンは群れの力で、トラは単独の筋力で獲物を仕留める。では体格で劣るヒョウはどうするのか。知恵を使うのです。第16話のチーターは世界最速の脚力を武器にしていましたが、速さと引き換えに持久力も気性の荒さも手放していました。ヒョウは逆に、体格の小ささと引き換えに、ネコ科随一の賢さと獰猛さを手に入れた。チーターが「速さの代償」なら、ヒョウは「小ささの代償」を知恵で埋めた動物と言えるかもしれません。  その賢さを証明する面白いエピソードを、以前資料で読んだことがあります。ジャングルの中で、ヒョウが獲物になり得る動物達の目に付くところで、自分の尻尾にじゃれ付いて遊び始めました。無邪気な子猫のように、くるくると尻尾を追いかけて転がる。その様子を見ていたシカが興味本位でヒョウに近付いた瞬間、ヒョウはあっという間に身を翻して躍り上がり、そのシカを仕留めてしまったというのです。・・・獲物の好奇心を刺激して、自ら近付かせるという見事な作戦です。第75話のハイエナは「相手が弱いと見ればつけ上がり、強いと分かれば即座に引く」という賢さでしたが、ヒョウの賢さはそれとは次元が違います。相手の心理を読み、演技で油断させ、一撃で仕留める。これはもう、知恵というより策略です。  第26話のチンパンジーは「穏やかそうで凶暴」な猛獣でした。ヒョウもまた、子猫のように遊んでいるかと思えば、次の瞬間には猛獣の顔に戻る。しかしチンパンジーの凶暴さが本能的なものだとすれば、ヒョウの場合は計算ずくです。ジャングルの中では子猫に見えても、決して大人しくはない立派な猛獣。・・・サーカスの調教師達がヒョウを最も手強いと語る理由が、この一件だけでもよく分かります。体格で王に勝てないなら、知恵で王を出し抜けば良い。ヒョウは、そういう生き方を選んだ動物なのです。
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