幼なじみが結婚する(3)|松本 麦
「実はさ、報告しなきゃいけないことがあるんだよね。私ーー」 「ーーもしかして、入籍!?」 椿が言い終わるより先に、わたしは食い気味に反応してから後悔した。今は話を聞くべきタイミングなのに、また自分勝手に突っ込んでしまった。最近、周りから結婚報告を耳にすることが多くなっていたし、彼女には同棲している彼氏がいたので、そろそろプロポーズされるのではないかという気持ちから早まってしまったのだ。 次の言葉を待とうと黙っていると「入籍なのかと言われたら、そうかもしれないけど...」と椿は曖昧な返事をしつつ、苦笑いを浮かべた。どうやら彼氏が転勤になるかもしれないとのことで、それに付いてきて欲し
https://note.com/pandme/n/n643c2a3dcf92