短編小説 Kukla|海野陽斗
どこにでもいる男の日常。自然が豊かな場所へ散歩に来ていた。今日は休日なのだ。日々の仕事のストレスを 森林浴で癒すために来ていた。 ベンチに座って一息をつく。先ほど買った缶コーヒーを開ける。 ふと頭の上で糸が切れたような感覚と頭痛がした。 ブチッ。 多少の痛みを感じてコーヒーを落としてしまった。 「なんだ?」 おもわず後ろを振り返った。そこには謎の巨大な両手が落ちていた。驚きよりは混乱を覚えた。 「一体何だこれは…」 お怯えながらも抑えられない好奇心に身を任せて手に触れた。それは生物の死骸ように冷たかった。巨大 な指の先には糸が繋がれていて、行方は途中でなくなっていた。嫌な予感を抱
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