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【メタバース】VR演劇「マクベス」千秋楽公演【VRChat】

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制作ノート
シェイクスピアと戦った98時間

98時間。これは、今回のマクベスの稽古の総時間です。週3日2時間の稽古を、6月終わりからゆっくりと開始しました。

マクベス夫人を演じたtakamiさんは、演劇未経験

マクベス夫人を演じたtakamiさんは、演劇未経験

大好評いただいてる役者陣ですが、実は2名を除いて舞台劇は初めて。未経験のメンツで作った舞台と言っていいでしょう。

最初期の稽古では、エチュードをどんどんやっていただきました。エチュードとは、日本語に訳すと即興劇。その名の通りその場で設定や簡単な役のプロフィールを渡して、決められた分数まで演じるというもの。これの狙いは、ふとした瞬間の言葉や、その場の判断で、その人がどのような人なのかを見るためでした。

  「演劇教育」という言葉があるように、しばしばコミュニケーションのツールとして用いられることもある演劇。リアルで演劇のワークショップに何度かスタッフとして入ったことがあるのですが、自分ではない誰かになり、そのセリフを見知らぬ誰かとやり取りをすると、その所作や空気感、間の取り方といった材料から、得られる相手の情報はとても多い。
とある演出家は、「稽古をすると、相手がどんなセックスをするかまでわかる」とまで言っていました。そういった”丸裸”のやり取りを現役の役者は、日夜行っているわけですね。  

脚本を渡したのは8月頭。マクベスは、全部きちんとやっていくと休憩込みで2時間半の長編。まず、VRでそれは無理でした。というのも、トラッカーの連続稼働時間が90分あたりが限界となるからです。より精密なトラッキングを求めるなら、100分でなんとか納めたい。

最初に手を付けたのは、脚本の整理でした。
マクベスの主題は、欲望にまみれた男の転落劇。しかし、細かく登場人物をみていくと、相関図が緻密に配されています。例えば、ダンカン王とその子息。maropiさんが演じたドナルベイン(ドナルベーンとも)は、上演されている他のマクベスでは、ほとんど役名として扱われないほどのキャラクターです。ですが、このキャラクターを役付きとして扱うことで、”兄弟愛""仇討ち""家族の絆"といった要素もプラスしました。

王位継承のシーンもオリジナル

王位継承のシーンもオリジナル


マクベスが手をかけたダンカン王の剣が、巡り巡ってマクベスを打ち倒すというのも、本作のオリジナル設定です。公式パンフレットでも言及しているのですが、"因果応報"もテーマのひとつで王殺しで王になったものが、その王殺しを受ける。"肘掛け椅子の考古学"として後世なってから評価された考古学者、ジェームス・フレイザーの「金枝篇」が紹介した「王殺しの慣習」が元ネタです。

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