主題としたモラル・ハラスメントとは、「目に見えない言葉や態度による精神的暴力」のことです。相手を深く傷付けかねない「言葉」というツールや、相手に示す「態度」が持つ意味や危険性、相手への思いやりや気遣いの大切さなど、モラハラの当事者だからこそ分かること、気づいたことを作品に落とし込みました。
また、被害者側の無意識的に傷付き壊れていく心も、加害者側の抗えない衝動的な身勝手さも、どちらも見て聞いて感じてきたからこその「私の立場だからこそ作れるもの」という意識を持って、今の私が表現できる全てを出し切りました。

表紙の窓からは、切り絵で作った中のページの女の子が見えます。

このページでは、フェルトやモール、透明フィルム等を素材として使用。男性の影が邪悪な蜘蛛に見えるという表現の、どこまでを人影とするか、どれほど蜘蛛の形に寄せるかに特にこだわりました。また、最適な貼り方や素材に合う糊を見つけるために、多種多様な種類の糊を使用し、比較しながら制作しました。

このページは、色鉛筆やフェルト、鏡面シートを使用。前ページの木の洞からこのページの新芽が見えるように、配置や色味に注意を払いました。また、優しい風合いを醸し出せるように、手の写真はクラフト紙に印刷するなど、こだわりを持って取り組みました。

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