状況に応じて変化する音楽を手掛かりに見えない迷路を進むインタラクティブミュージック作品です
ゲーム投稿サイトunityroomにて2024/2/23に公開し、実際に以下でプレイすることができます
https://unityroom.com/games/daysinamaze
インタラクティブミュージックとは主にゲームで用いられるBGMの演出手法のことをここでは指します。
ボスバトルなどの状況で、楽曲のアレンジやセクションが敵やプレイヤーの状況に合わせて変化し、撃破と同時に曲が終止へ向かうような、まるで元からそのような一つの曲であったかのように変化するような演出です。
近年のゲームでは明確な場面の切り替えが少なくなって来ていることから、それに合わせて音楽においてもこのような演出が多くのゲームに採用されるようになっているようです。
インタラクティブミュージックはゲームのための演出の手段ですが、それを目的としてなにかやってみたいと思ったのがきっかけでした。
そこから、インタラクティブミュージックの特徴であるプレイヤーの操作や状況が音楽に自然と反映されることに加えて、その音楽の変化がプレイヤーの操作に影響を与えるような設計にしたいと考えました。
例えばセッションや(やや一方的ですが)オーケストラの指揮者、奏者など、他者との相互作用も音楽を楽しさの一部だと考えています。そのような喜びを、インタラクティブミュージックを採用することで、ミュージックビデオという枠を少しはみ出してリスナーへ提供できないかと考えました。
そのうえでどのようなプレイヤーの操作に紐づけた音楽の変化にするかを決めていきました。
あまり複雑なゲームとしてしまうとプレイに集中してしまい音楽の変化に気づかない状況となりかねません。それを考慮すると、音楽を主として楽しんでもらうためには、常時の操作を要求せず(忙しくなく)かつ操作も簡単なものである必要があるかと思います。そういった要求を満たすものとして、ルールが明快で操作も進行方向の選択のみという迷路を採用しました。
迷路と決めてから具体的にどのように音楽と関連付けていくか考えていきました。単純に道の見える迷路だと、目でどの選択をすればゴールに向かえるか判断ができてしまい、音楽→プレイヤーの操作という方向の作用が機能しなくなると考え、道の見えない迷路で音楽がヒントとなるような作りとしました。
(つらつらと書きましたが反省点もあります。音楽を変化させつつ一曲の音楽として成り立たせることを重視した結果、楽曲の変化がやや伝わりづらいものとなってしまった気がしています。よりダイナミックな音楽の変化や、視覚効果を取り入れることができないかを次このような作品を制作する際には検討していきたいです。)
迷路の進行状況によって曲調が変化します。

仕様のメモ書き
その他、4小節前にいたマスに戻っていればドラムパートが消え、変化があるとドラムが再開するなどの変化もつけています。
実装方法としてはシンプルで、メモ書きにもあるように楽曲のいくつかのステムデータを用意し、ゲーム上ではすべて同時再生しておき、音量を切り替えることで実装しています。
道を選択したとき、曲がったときに鳴らしている効果音は音程違いで8種類あります。効果音発音時のコードに合うものを鳴るようにしています。
モデリングはblenderにて行いました。

blender、Unity、Ableton live、AfterEffects