「外国人実習生」というと、過酷な労働条件を与えられてやめてしまったり、失踪してしまったりとあまり良い話を聞くことがありません。メディアでもマイナスイメージをよく取り上げられている印象です。
どうすればうまくやっていけるのか。群馬建水様では早くからこの課題に対して数々の取組みをされていました。それを発信し、他の建設業においても「うちもできるのではないか」と感じてもらうことで、建設業界全体の人手不足解消につなげられるのではないか、という目的でこの動画を制作することになりました。
外国人実習生として動画に出演いただくのに最初に選ばれたのは2名。日本語が得意な方でした。お2人へのインタビューはもちろん、社長からは群馬建水様の取組みをお話ししていただく必要があります。
またお話を伺う中で、企業と実習生の間には監理団体という橋渡し的な役割をする団体があることを知りました。この監理団体の方にもお話を伺いたいと思い、出演してもらえるように社長から依頼していただきました。
群馬建水様には実習期間を終えて社員になる外国人の方もいらっしゃいます。もちろん働き続けたいと思えるからだとわかります。このことから、群馬建水様の取組みが成功していることは明白ですので、大枠の構成は考えつつも、ありのままをお話ししていただくことが説得力のある動画につながると感じました。
撮影当日。「ちょうど今日、実習が終わって母国に帰っていた外国人が社員になるためにこちらに来ているので、追加でインタビューしてほしい」と社長からお話がありました。当初予定していた4名のインタビューとインサート撮影であまり余裕のないタイムスケジュールでしたが、隙間に詰め込むことに。追加は2名でしたので、あわせて6名のインタビューを半日で実施するということになりました。
まず監理団体の方のインタビュー、次に社長のインタビューと続き、その後は追加となった外国人2名のインタビューに入りました。インタビュー内容は当初準備していた実習生2名のものと同じ内容です。
撮影が始まって少したったところで疑問が生まれます。
「もしかして...日本語伝わってない?」
いったんインタビューを止めて聞いてみたところ、なんとほとんど日本語がわからないとのことでした。事前に社長や社員さんと楽しそうに話していたのと、数年日本で暮らしていることから、会話はできるという認識を勝手にしていました。これはこちらの確認不足。その後は質問もなるべく短く、簡単な単語を選んで聞くようにしました。
最終的には翻訳ツールを駆使して母国語でも話していただき、生の声をしっかりいただくことができたので一安心。
その後、予定していた実習生2名の方々のインタビューとなりましたが、このハプニングもあったことで慎重に話すことができ、もともと日本語が上手なお2人ということもありスムーズに完了。
まず大きな問題に直面しました。
音声の所々に大きなノイズが...
イヤホンで確認していたはずですが、聞き取りにくい音だったようです。PCで聞くとかなり大きい、服とマイクが擦れる音。編集班とともにノイズ除去を試みるものの、私には除去しきれません。音声のプロフェッショナルであるコミュニティの講師にも相談してみましたが、除去は不可能なレベルとのこと。
検証した結果、マイクの固定に使用していたテープの種類に問題がありました。原因と対処方法はわかった。さてこの後どうするか。
除去しきれないのは監理団体の方のパートのみ。大変失礼ではありますが再撮影をさせていただくことにしました。快く引き受けていただき感謝です。
すべての素材が集まり、編集班にトス。編集は2名で分担して対応してもらったので、着手できるところから先に動き出していました。私は全体の構成を見ながら修正をかけます。
いつも編集を依頼するスピード派の1名に加え、今回新たに加わった1名は慎重ではありますが指示書の理解力が高い。お願いしたことが確実にできあがってきます。どちらも信頼のおける編集者です。
このお2人の特徴を考慮して指示させてもらうのですが、私から何度も出てくる細かすぎる指摘に対して、お2人とも嫌な反応もなく対応していただき感謝です。おかげさまで編集は順調に進み、予定していた納期に納品させていただくことができました。