「北欧、暮らしの道具店」オリジナル作品。一人暮らしの団地を舞台に、おいしい料理×毎話変わる音楽が主役のドラマです。
◆ひとりごとエプロン
朝8時に家を出て、夜6時に帰ってくる。そんな、ルーティンな日々を過ごす26歳OLの林夏希。 普段はスーツに身を包む彼女も、家に帰ってくればそこは彼女のお城。 学生時代から収集してきた雑貨類に囲まれ、2DKの団地に住んでいる。 そんな彼女の日課は、音楽を聴きながら晩御飯を作ること。レシピは全て頭の中。 その日の出来事、気になるもの、懐かしい思い出。頭に浮かんだものを、そのままリズミカルに料理にしていく。 ひとりごとをつぶやきながら、音楽に身を任せ、今日も新しいレシピが生まれていく。
◆1話:さらりとしない、じゃがいもグラタン
「やっぱり、春まで待てばよかった。」帰宅早々、落ち込む夏希。
不穏な空模様を見ないふりし、一目惚れした革靴を履いて出かけたが、案の定雨に降られてしまったのだ。水を拭き取り、シミにならないように願掛けしたあと、自分も濡れて冷えてしまっていることに気がつく。「こんな日は、何か温かいものが食べたい。」カラフルなエプロンに身を包み、夏希はキッチンへ向かう。
今日の料理は……グラタン。