人魚姫が人間になったお話。
かつて好きな人が乗っていた船を思い出すかのような船を港で見た。
港に泊まっていた貿易商船に乗り込んで、海へと旅をした。
長い人魚のようなドレスを身につつみ、潮風で朽ちた木箱の上に腰掛ける。
彼女を見た者は海童女の幻かと目を疑った。
誰にも見られない場所で一人、穏やかな海原を眺めている。
手には恋した言葉が綴られてる詩集の入れ物を添えている。その中には幾つかの手紙(愛の詩集)と愛を唄った一曲入りの小さなレコード盤が入っている。
どこにいたって、いつも見てるものは遠い
手の届かないものに恋しく思っているわけじゃないけど、夜になれば東の空に浮かぶ一番星が空から降ってくるだろうから
