『土瀝青 asphalt』(2013年)
『土瀝青 asphalt』
186分、ビデオ、2013年
監督:佐々木友輔
朗読:菊地裕貴
音楽:田中文久
ロゴ:藤本涼
原作:長塚節『土』
主題歌『おつぎ歌』
作曲:田中文久
作詞:菊地裕貴
歌:飯塚理恵子
ヴァイオリン:秋山利奈
長塚節による唯一の長編小説『土』は、東京朝日新聞の連載として1910年に執筆された。長塚節の故郷である石下町国生を舞台として、そこに生きる農民の勘次とお品、二人の子であるおつぎと與吉、お品の父である卯平ら家族の物語である。『土』から『土瀝青』に至るまでの百年という隔たった時間のうちには、もちろん、「郊外化」という大きな場所の変容が含まれている。では、長塚節の経験した郊外化以前の場所のあり方と、私たちの知る郊外化以降の場所のあり方を、ひとつの映画のうえでかさねあわせたとき、なにが起こるだろうか。なにを知ることができるだろうか。「風景」という概念を乗り越え、その背後に隠された多層的な世界を捉えようとする「場所映画」の方法論を実践した本作は、映像作家・佐々木友輔が『夢ばかり、眠りはない』以来取り組んできた、映画による場所論/郊外論の集大成である。